この記事からわかること
化学メーカー研究職の1日の予定
私(@okamotobiblio)は有機合成を行う研究職として化学メーカーで働いています。
就活生の時は実際の研究職の方がどのような働き方をしているか、具体的にイメージできていませんでした。
研究職の1日のスケジュールについて詳しく知っていれば、より深く研究職のことを理解できていただろうと思います。
この記事では、就活生の皆様の参考となるように、化学メーカーで働く私の1日のスケジュールを紹介します。
入社1年目のスケジュール、5年目の実験中心の日、デスク・会議中心の日という3通りのスケジュールを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
化学メーカー研究職の1日
私は研究職として働いていますので、研究のための実験が業務の中心です。
1週間の実験計画を立てた後、1日単位のスケジュールを立てていきます。
実験の合間を見て、データ整理やメールの返信を行います。
スケジュールの立て方、タスク管理の方法は以下の記事を参考にしてください。
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参考理系研究開発職が実践している3つのタスク管理法
1年目と5年目の違いとして、5年目ではチームリーダーとしてチームを率いるマネジメント業務をしています。
チームメンバーへの仕事の割り振りや進捗管理、顧客対応や社内調整などを行う必要があります。
また、1年目は独身でしたが、5年目時には子供なしの共働き夫婦として生活しています。
就活生の皆さんは、まだ結婚後の生活をイメージできていないかもしれません。
しかし、共働きとして家事を割り振ったりして無理なく生活していくことは、社会人として重要な要素です。
結婚前後で、時間の使い方がどのように変わるのかにも、注目すると良いと思います。
1年目の1日
1年目時は実験を安定してこなす、業務を覚えることを意識して仕事をしていました。
1日のスケジュール例を示します。
08:00 起床・朝食
09:00 会社到着・雑務
09:30 実験準備
10:00〜12:00 実験
〜13:00 昼食
〜17:00 実験・データ整理
~18:00 片づけ
18:30 帰宅
19:30 夕食
20:30 お風呂
21:00 読書や勉強、テレビなど
24:30 就寝
仕事の時間
1年目は会社の近くに住んでいたこともあり、起床は出社の直前でした。
朝ごはんを食べて、すぐに出社です。
1年目の大きな特徴は、乾燥したガラス器具の片づけや溶媒の補充など、雑務を1日の最初の業務として行ってたことです。
一通りの雑務が終わってから、実験を行います。
研修が入っている日以外は、1年目は1日中実験をする日が多かったです。
1日の終わりにデータ整理を行い、その日に行った実験をふりかえります。
定時から1時間以内には帰ることができていました。
残業時間は月20時間以内です。
プライベートの時間
家に帰って食事などをした後は、2時間程度は自由時間がありました。
読書が趣味なので、分野を問わず色々な本を読んでいました。
定時に退社して、友人とご飯に行ったり、イベントに参加することもありましたね。
大学院時代は12時間は研究室にいたので、体感的には「楽になった」という感覚がありました。
5年目:実験中心の1日
実験が業務の中心ではありますが、5年目にはチームリーダーとして仕事が増えました。
具体的なスケジュールを紹介します。
05:50 起床・朝食
06:20~07:00 勉強
07:50 会社到着 メールチェック 書類作成
08:20~09:00 実験計画確認
09:00~12:00 実験
〜13:00 昼食
〜17:00 実験・データ整理
~18:00 メンバー進捗確認 明日の実験準備
~19:00 メール・書類作成
20:00 帰宅
20:30 夕食
21:30 お風呂
22:00 読書や勉強
22:30 就寝
仕事の時間
1年目の働き方では、すべての仕事の処理ができなくなったため、早めに出社してデスクワークをしています。
デスクワークとは、実験のデータ整理だけでなく、顧客対応や社内・社外用の資料作成なども含まれます。
早く出社するとはいえ、実験は安全性の観点から、できるだけ多くの人がいる時間に行うようにしています。
メンバーが出社を始めると、その日の実験計画を事前に確認します。
夕方には実験の進捗を互いに共有し、明日の実験計画を決定します。
1年目との大きな違いとして、前日に実験準備の時間を十分確保するようになったことがあります。
事前に準備をしておくことで、当日は手を動かせば良い状態にしています。
複数の実験の意思決定を行わないといけない立場なので、「考える必要がない事に意識を割かない」ようにという工夫です。
5年目になり実験の生産性は向上しました。
実際の実験時間はむしろ減っているぐらいですが、アウトプットはより良くなっています。
業務内容をより深く理解できるようになったこともありますし、準備に時間を十分とるようになったことも要因であると思います。
一方で業務量は大幅に増えているため、残業時間は増えています。
就活生の皆さんの前では大きな声で言えないですが、月45~60時間程度となっています。
実験量は変わりませんが、テーマを立ち上げたり、社外とのコミュニケーションに必要な時間が増えているためです。
リーダーになっても、デスクワークの生産性を高めている人は周りにいますので、これは私の課題ではあります。
プライベートの時間
結婚後の生活で、帰宅後の家事分担は重要なことの1つです。
我が家では、妻と私で早く帰った方が夕食準備を行う、というルールを運用しています。
できる限り夕食の準備時間を少なくするように、休みの日に多めに作るようにもしています。
帰りが遅くなったこともあり、夜の自由時間は少なくなりました。
その代わり、朝の出社前に勉強時間を確保するようにしています。
夜はどちらかというと、妻との家族の時間を重視しています。
一緒にテレビを見たり、今日の出来事を話したりするために使うようになりました。
勉強は集中力が高いほうが頭にも入ってきやすいので、その意味でも朝に取り入れるようになって良かったと思います。
また、ランニングが趣味なので、平日の起床後に30分程度走る日もあります。
移動時間を有効に使うようにもなったことも5年目の特徴です。
1年目時は会社の近くに住んでいましたが、結婚後は通勤時間が増えました。
この通勤時間を有効活用するために、audibleを使って、耳で読書をしています。
5年目:デスク・会議中心の1日
デスク中心の日のスケジュールを紹介します。
05:50 起床・朝食
06:20~07:00 勉強
07:50 会社到着 メールチェック 書類作成
08:20~09:00 実験計画確認
09:00~10:00 実験 派遣社員に指示だし
10:00~12:00 社内会議
〜13:00 昼食
~14:00 書類作成
~15:00 顧客Web会議
〜17:00 実験 派遣社員に進捗確認
~18:00 メンバー進捗確認 明日の実験準備
~19:00 メール・書類作成
20:00 帰宅
20:30 夕食
21:30 お風呂
22:00 妻とテレビ鑑賞
23:00 就寝
仕事の時間
チームリーダーとして、社内会議や社外とのWeb会議が中心となる日もあります。
その場合、派遣社員さんに実験の大部分をお願いしています。
派遣社員さんは、大学院を卒業されて十分な実験能力を持っている方ですので、事前に実験内容を説明していれば、失敗することはほぼありません。
失敗するとしたら、むしろ私のコミュニケーションミスであることがほとんどですね。
したがって、間違いのない意思伝達を意識して、実験内容の説明を行っています。
派遣社員に協力してもらってテーマを進めることも、研究職として働いていくには必要なスキルです。
スケジュールには、実際の会議の時間を書いていますが、会議に関わる時間はこれだけではありません。
事前の資料の準備や、会議後の決定事項の確認、宿題事項など、会議が開かれている間以外にも業務が存在します。
もちろんメンバーと協力して進めますが、リーダーはこの業務がより多くなります。
若手~中堅にかけて研究職であっても、研究以外の業務が増えてくるということは、就活生の皆さんにとっても理解しておいた方が良いことだと思います。
まとめ
化学メーカーで研究職として働く私を例とし、1年目、5年目の1日のスケジュールを紹介しました。
1年目では、比較的余裕があり、業務後も勉強やプライベートの時間を確保できていました。
一方で、5年目ではチームのマネジメント業務をする必要性から、仕事量が多くなっています。
また、共働き夫婦として働いているため、家事を分担しつつ日々の生活を行う必要があります。
こちらの記事を参考に、研究職のリアルを体感いただければ幸いです。