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【ビブリオバトル】本選びの方法とおススメ本20選

岡本さん
岡本さん
ビブリオバトルではどんな本を選べば良い? おすすめの本があれば知りたい。

 

この記事からわかること

  • ジャンルごとの、本の紹介方法
  • ビブリオバトルのおすすめ本

 

ビブリオバトルでは、どんな本を紹介すればチャンプ本を獲得しやすいか?

10年近くビブリオバトルを行っている私(@okamotobiblio)も、頻繁に考えるテーマです。

 

そこで、この記事では、ビブリオバトルの発表本の選び方とその代表例、発表本ごとの本の紹介方法を解説します。

この記事を読んで、発表本選びの参考にしてください。

 

なお、ビブリオバトルの原稿づくりについては、以下の記事が参考になります。

参考【例文あり】ビブリオバトルの発表原稿を準備するための4ステップ

 

 

好きな本を選ぶのが一番

ビブリオバトルでは、自分の好きな本、面白いと思った本を紹介すれば良い、というのが私の結論です。

勝てそうな本、周りと被らない本などの戦術を考える必要はありません。

 

チャンプ本を獲得した際に、発表を聴いてくれた人になぜ私の紹介本に投票してくれたのか聞いたことがあります。

その際、最も多かったのが、「楽しそうに本を紹介していたから」というものでした。

 

本の内容やジャンルよりも、発表者がその本を愛している、発表者の「好き」という気持ちが伝わるプレゼンが効果的だったのです。

 

したがって、ビブリオバトルで紹介する本を迷っているのであれば、「自分の好きな本」、「面白いと思える本」を紹介しましょう。

 

しかし、この記事を読んでいるあなたは、それでも何かおススメの本があるなら知りたいと考えていると思います。

そこで、次以降では、本のジャンルごとに、発表方法と、私が参加したビブリオバトルで実際にチャンプ本を獲得した本を紹介します。

 

人気作家の小説

村上春樹、原田マハ、重松清、森博嗣、江國香織、朝井リョウ、万城目学、湊かなえ、有川浩、住野よるなど、人気作家の小説は、ビブリオバトル初心者の方には特におススメです。

 

岡本さん
岡本さん
皆が読んだことがある小説だと、チャンプ本は取れないんじゃない?

 

発表の際に「読まれた方も多いと思いますが」という説明をされる方を多く見ます。

しかし、参加者層がかなり偏っていない限り(例えば村上春樹好きが集まった会で、村上春樹を紹介するなど)、半数以上の人が読んだことがある小説というのはめったにありません。

 

むしろ、人気作家作品だからこそ、多くの人が「読んでみたい」と考えるので、チャンプ本獲得割合も多い印象です。

発表本に迷ったら、人気作家の小説を紹介してみましょう。

 

紹介方法

著者の他の作品と比較し、発表本を紹介することが、おススメの紹介方法です。

 

  • コミカルな作品が多い作家だけど、この作品はシリアス
  • 文体が難しい著者のイメージだったけど、この小説はとても読みやすかった
  • 他の作品を読んで面白かったので、この本も読んだけど、さらに面白かった

 

発表本は読んだことはないけど、著者の他の作品は読んだことがあるという人は一定数います。

その人に向けて、紹介するのが良い発表であると思います。

比較することで、発表本の特徴を際立たせる効果もあります。

 

本の例

走ることについて語るとき僕の語ること


村上春樹のエッセイで、高校時代に読みました。

小説に比べると、エッセイの村上春樹は力が抜けていて、村上春樹の文体が苦手な人でも読み通しやすいと思います。

「走ること」や「ランナー」が、「書くこと」、「小説家」のメタファーになっています。

私は学生時代陸上部で、走ることが身近だったこともあり、考え方に影響を受けた一冊です。

 

以下の記事で原稿を公開しています。

参考【高校生向け】ビブリオバトルの原稿作成技術と例文を公開

 

楽園のカンヴァス


アート小説の名手、原田マハの評価を決定づけた一冊です。

ルソーとピカソを題材にした、美術界のミステリーで、キュレーター経験のある原田マハだからこそ書くことができる作品です。

原田マハのアート小説は何冊か読んでいますが、この本はアートと物語のつながり方がベストだと思います。

 

以下の記事で原稿を公開しています。

参考【ビブリオバトル講座】小説の発表方法 「抽象化する」

 

希望の国のエクソダス


 

村上龍の長編小説です。

中学生の集団不登校、日本からの脱出を題材に、教育について考えさせてくれます。

中学生が活躍する物語ですので、中学生が発表しても面白いと思います。

参考【中学生が活躍】「希望の国のエクソダス」をビブリオバトル解説

 

映像化作品

映像化された作品も、ビブリオバトル初心者の方の選書におススメです。

例えば、映画で内容を知ってから小説を読めば、読む負担も減らすことができますし、多くの人が感想をネットに書いていますので、参考にもしやすいというメリットがあります。

 

紹介方法

映画化作品であれば、公開時期や出演俳優などの情報も発表内容に盛り込みましょう。

観戦者が内容をイメージしやすくなります。

また、映像作品も鑑賞しているのであれば、本と映像作品との違いや、イメージ通りの部分を説明するのが発表のコツです。

 

本の例

阪急電車


私が阪急電車ユーザーだったこともあり、私にとって印象深い作品です。

映画では、阪急電車の中、沿線の風景なども上手く表現されています。

小説はオムニバス形式で進み、各登場人物映画がつながる瞬間が面白さの1つでしたが、映画でもその良さも維持されていました。

阪急電車をよく使う人や、電車好きには、おススメの選書です。

 

桐島、部活やめるってよ


映画の方は最優秀作品賞を受賞、小説は小説すばる新人賞を受賞しています。

小説は登場人物ごとのオムニバス形式ですが、映画も各登場物の視点で出来事を体験する表現になっています。

 

著者の朝井リョウと私が同年代で、描かれている高校生たちも同年代なので、ファッション、流行、空気感に共感できます。

高校生が自分の学校環境と比べて紹介しても、面白いと思います。

 

夜にかける YOASOBI小説集


「小説を音楽にするユニット」がコンセプトのYOASOBI。

楽曲の元となった小説が収録されています。

 

中高生、大学生でYOASOBIが好きな人は多いですし、関心も高いですね。

「夜にかける」であれば、多くの人が知っているはず。

その元となった小説を、楽曲と比較、どこで心を動かされたかなどを説明すると、読みたいと思う人は多いと思います。

 

古典作品

教科書に載っている作家や、作品をビブリオバトルで紹介するのも面白いです。

 

大人になってから読み返したり、高校生の時に読んだ小説を大学生になって読み返すと新しい発見があります。

その発見をおススメポイントとすると、興味もってもらえることが多いです。

 

紹介方法

ポイントは自分なりの視点、経験に基づいて、解釈することです。

 

  • 過去に読んだときは、心を動かされなかったけど、今は素晴らしさが分かる
  • 教科書で内容だけ学び、実際には読んだことがなかったけど、読んでみるととても面白かった
  • 過去の作家のイメージだったので、読まず嫌いだったが、現代でも通じる面白さがある

 

などの紹介方法が考えられます。

 

本の例

箱男


昭和を代表する作家、安部公房の小説です。

段ボール箱をすっぽりかぶった男が、街を徘徊する物語ですが、箱男は現代のインターネット世界を表現しているのではないかという気づきが得られます。

 

阿部公房の人間の本質を見極める力を感じることができる一冊です。

 

参考【考察】箱男の世界はインターネット世界だ【小説「箱男」】

 

文字禍


教科書で読んだ人は多い「山月記」の著者、中島敦の短編です。

文字に惑わされ、文字により死んでしまう人間の姿を描いています。

 

現代の広告や、インターネットの情報量の多さなどの比喩としても読むことができるという発見があります。

過去の作品のテーマが、現代社会の現象と通じていることをプレゼンの中心にするのが、発表のコツです。

 

君主論


イタリアの軍事戦略家、マキャベリの著作です。

歴史の教科書の項目としては知っていましたが、ビブリオバトルを期に実際に読んでみました。

 

どうやって国を統治するかということがテーマの本ですが、国を会社と読み替えることができます。

経営者はどのように会社を統治すれば社員はついてくるのか、競合への勝ち方、会社を買収をする場合は買収先の社員をどう扱えばよいかなどの知見が得られます。

 

内容的に社会人向けではありますが、大学生が読んで「サークルで試してみた」という発表も面白いですね。

 

設定が面白い小説やSF

SFはビブリオバトルでも人気の高いジャンルです。

非日常を味わうことができますし、面白いアイディアを体感したい読書家は多いので、彼らに向けて発表するには、ぴったりの題材です。

 

紹介方法

SFは、設定の面白さをどうやって伝えるかが、発表のポイントとなります。

 

説明が少ないと、初めて聞いた人は、設定を理解できない可能性が高いです。

ストーリーは多少省いても良いので、その世界観ではどのようなことが起きるのか、登場人物たちはどの様な思想を持っているかなど、SFの設定に注目した発表内容にしましょう。

 

また、SFは環境問題、人権などの現代の問題を扱っているケースも多いです。

これらの問題に対して、自分はどう考えているかコメントするのも、オリジナリティのある発表には重要な要素だと思います。

 

本の例

ハーモニー


大学生のビブリオバトル全国大会でチャンプ本に選ばれた本です。

近未来のユートピアを描いた作品で、命や人間の意志を題材にしています。

この世界観に対して、自分の意見を伝えたり、観戦者に向けて質問を投げかけてみましょう。

 

百年法


永遠の命と引き換えに、100年で安楽死するという設定のSFです。

こちらも命が題材となっています。

世界観を詳しく説明するとともに、この世界で自分が生きていたら、どう行動するかを説明すると良い発表になると思います。

 

ミステリー

映像化作品も多く、人気ジャンルの1つのミステリーは発表方法の工夫が必要です。

発表者のスキルが要求されるジャンルだと思います。

 

紹介方法

ミステリー紹介の難しさは、小説の中でも情報量が多いため、理解してもらうのが難しいという点にあります。

「秘密やトリックをどこまで明かすか」ということを気にする発表者は多いですが、そもそもその不思議な現象や、秘密の前提を説明して理解してもらうこと自体が難しいのです。

 

重要なのは、何を最も伝えたいか、自分がその小説で何を面白いと思ったかに着目することです。

ミステリーの秘密の部分こそが面白いのであれば、ネタバレせずに、不思議な現象や秘密の前提部分を詳しく説明する必要があります。

 

ミステリーのトリック自体よりも、登場人物の駆け引きなどが面白い場合は、人物の性格や行動を詳しく説明する必要があります。

こちらの場合は、多少ネタバレしても問題ありません。

どこに力点をおくかに着目しましょう。

 

短編集

読みやすさという点で、短編集は手軽に発表しやすいジャンルです。

ページ数が少ない場合が多いですし、究極、すべての章を読み切る必要がありません。

また、有名作家の場合は興味を持ってもらえる可能性も高いです。

準備に要する労力という観点でコスパの良いジャンルが、短編集であると言えます。

 

紹介方法

短編集といえど、収録されている作品のテーマが共通している場合は多いです。

共通したテーマを、本紹介の導入部分に説明しましょう。

 

また、実際のプレゼン時間内に紹介できるのはせいぜい1,2編程度です。

多くの章を紹介するよりも、ある短編を詳しく説明する方が良いでしょう。

いくつか収録されている他の短編ではなく、その短編を紹介した理由を説明するのが、短編の紹介を特徴づけるためには有効です。

 

本の例

Presents


角田光代の、女性たちが贈られたプレゼントを題材にした短編小説です。

私の妻から借りた本ですが、夫婦とも「鍋セット」という短編が、家族愛を感じることができて好きです。

全編を通して読むことで、女性は人生で多くの贈り物をしている、受け取っているという気づきがありました。

 

世にも奇妙な君物語


朝井リョウの短編小説です。

テレビの「世にも奇妙な物語」を、朝井リョウが脚本を書いたらというコンセプト書かれています。

朝井リョウは自身の同年代の価値観の描写を得意としていますが、その特徴が表れている「リア充裁判」という短編が私は好きです。

 

ノンフィクション

大学生や社会人が参加するビブリオバトルでは、多く紹介されるジャンルです。

一方で、中高生のビブリオバトルでは紹介されることが少ないと思います。

私自身は科学系の教養書などをよく読むので、紹介することが多いジャンルです。

読者は「知らなかったことを、知ることができる」という特徴がありますので、ビブリオバトルでは紹介しやすいジャンルだと思います。

 

紹介方法

ノンフィクションの面白さは、「知らなかったことを、知ることができる」という点にあります。

題材がいかに面白いか、ユニークかという点に焦点を当てて紹介するのがおススメです。

科学系の本では、前提知識がないと楽しめない場合も多いので、紹介内容を絞って、堰堤知識を共有することに注力しましょう。

 

本の例

世界史は化学でできている


歴史の出来事が、いかに化学と関わっているかを紹介している本です。

化学系の一般書で、ベストセラーとなっています。

素材や分野ごとに章立てされており、興味のある章だけ読んでも楽しめる点が優れています。

現代産業が、いかに化学で支えられているかを理解することができ、面白いです。

社会人が多いビブリオバトルでは、興味を持つ人が多いと思います。

 

不可能美術館


戦争や盗難など、失われてしまった美術品のみが掲載されている美術書です。

「無いこと」を通して、美術品が「ある」ことに多くの人たちの努力があることが理解できます。

美術品のページを見せながら本説明をする「見せる」プレゼンができる点が、ビブリオバトル向きの本だと思います。

 

ビジネス・経済本

ビジネス本や経済に関する本は、社会人中心のビブリオバトルでよく紹介されます。

流行があるジャンルですので、流行に乗っている本か?という点が、紹介するかどうか決める基準となります。

 

紹介方法

実学に近い分野ですので、本からの学びを自分の仕事などに置き換えて説明したり、職場などで実践したことを説明するのが良い紹介です。

自分の職場の例を出せない場合、有名企業の例を取り入れると説得力が増します。

 

世界「失敗」製品図鑑

トヨタ、グーグル、任天堂など世界を代表する企業の「失敗製品」を取り上げたビジネス書です。

なぜその製品が失敗に終わったのか、そこから何を学べるかをまとめて話すと、面白い発表にすることができます。

参考【ビブリオバトル】”世界「失敗」製品図鑑”を読んで身につまされた

 

大量生産品のデザイン学


「明治おいしい牛乳」などのデザイナーとして知られる「佐藤卓」さんの著作です。

大量生産品は、マーケティング、流通、コストなどに関わるだけでなく、エネルギーや環境など、世界規模の問題とも関わっています。

それらの問題について、デザイナーの立場から、著者がどのように大量生産品と接してきたのか学ぶことができます。

私はモノづくりのデザインに興味を持っていたため、デザイナーの思考を見ることができた点が面白かったです。

 

日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る


住友化学はアフリカで蚊帳を売るビジネスをしています。

本来BtoBの素材企業である住友化学が、なぜアフリカでのBtoCビジネスに乗り出したのか。

そしてどうやってトップシェアをとることができたのかを、経済小説のように楽しむことができるノンフィクションです。

化学メーカーで働く私としては参考になる部分が多かったですし、 良い商品やサービスを知ってらいたいと考えている人が参考になる方法が多くあります。

 

絵本

紹介自体は少ないですが、紹介されたときは注目されることが多いジャンルです。

最近は大人向けの絵本の種類も増え、気づきや学びを得る教養書に近いジャンルになっていると思います。

 

紹介方法

絵のページを見せながら紹介するのが自然です。

文章も短いため、朗読する人も多いです。

一方で、絵本の朗読会になってしまうと、ビブリオバトルらしさがなくなってしまいます。

絵本を読んで何を感じたのか、自分の価値観と併せて紹介するのがポイントです。

 

あるかしら書店


ビブリオバトルでは比較的、良く紹介される絵本です。

「~についての本ってあるかしら?」と聞くと、おじさんが本を持ってきてくれます。

本好きの願いを叶えてくれるという面白さがあるの点が、ビブリオバトルでも人気になる理由の一つだと思います。

 

漫画

学校現場では紹介できないことが多いのかもしれませんが、社会人中心のビブリオバトルでは比較的、目にします。

「漫画の紹介は無し」と決められていなければ、紹介は問題ないです。

誰もが読んだことがあるような、”国民的漫画”が紹介されるのは見たことはありませんが、最近映像化された作品などの紹介はよく見ます。

 

紹介方法

連載漫画が紹介されることが多いので、現在何巻まで出ているのか、完結しているのかという説明は必要です。

基本的には小説の説明方法と同じであり、設定が重要な場合が多いので、SFの紹介方法と似ていることが多いです。

 

本の例

チ。―地球の運動について


天動説が信じられている時代に、地動説を訴える主人公を描いた漫画です。

マンガ大賞2021を受賞しています。

主人公の熱狂が特徴ですが、ビブリオバトルでもその熱意を伝えることが重要です。

私が参加したビブリオバトルでチャンプ本を獲得しており、漫画が紹介されたビブリオバトルの中でも印象に残っている一冊です。

 

ビブリオバトルに参加しよう

ビブリオバトルの本の選び方とおススメの本を紹介しました。

ビブリオバトルの本選びは、好きな本を選ぶのが重要です。

自分が心から面白いと思える本を紹介することが、チャンプ本獲得の近道となります。

 

しかし、もし選書で迷ったのなら、ぜひ今回の記事のを参考にしてください。

 

また、過去に岡本ビブリオバトルで紹介された本をまとめていますので、こちらも参考にしていただければ幸いです。

参考【2018-2020年】岡本ビブリオバトルで紹介された本

 

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