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【中学生が活躍】「希望の国のエクソダス」をビブリオバトル解説

岡本さん
中学生が活躍する小説は無いかな?ビブリオバトルで紹介してみたい。

 

「希望の国のエクソダス」という中学生が活躍する小説を読みました。

日本を舞台に、経済や教育について考えさせてくれる小説です。


 

この本をビブリオバトルで紹介しましたので、その原稿を解説します。

 

ビブリオバトルについてご存じない方は、こちらを参考にしてください。

参考ビブリオバトルを楽しむための4つのルール

 

なお、本記事はビブリオバトルを知らなくても、小説の内容を知ることができます。

 

 

原稿作成の考え方

「希望の国のエクソダス」は村上龍さん作の長編小説です。

中学生たちが活躍する物語であり、現役の中学生がビブリオバトルで紹介しても面白いと思います。

 

10年近くビブリオバトルに参加してきた私(@okamotobiblio)が、原稿の作り方を解説します。

 

テーマを絞る

本作品は、教育、経済、日本社会など、様々な社会問題がテーマになっています。

全部を説明したいところですが、すべてを解説していると、制限時間の5分を超えてしまいます。

 

この様な本の場合、

ポイント

テーマを一つに絞る

ということが重要になります。

 

このテーマは、自分が最も心惹かれたもの、興味があるものを選ぶようにしましょう。

自分の語りたい1つのテーマに絞ることで、より熱意のこもった発表をすることができるので、チャンプ本獲得の可能性が高まります。

 

私は「教育」について興味を持ったので、この点について詳しく話すことにしました。

 

超一言を作る

1つに決めたテーマから派生させて、「超一言」を作成しましょう。

 

「超一言」とは、5分の発表を一言で要約した言葉です。

詳しくは、以下の記事で解説しています。

 

参考【超一言】 ビブリオバトル最後のまとめ方を解説します

 

今回の「希望の国のエクソダス」では、「学ばないことが強みになるのか?」という問いを超一言としました。

 

構成を作る

原稿を作る際は、まず構成を練ります。

構成の簡単な作り方は、導入1分-中盤-1分-終盤1分の1-3-1の法則に従って作るという方法です。

 

参考【例文あり】ビブリオバトルの発表原稿を準備するための4ステップ

 

今回の発表では、図のような構成としました。

 

導入と終盤の時間を短くし、中盤の時間を長くしています。

 

 

 

「希望の国のエクソダス」の発表原稿

実際の原稿を紹介します。

 

導入の原稿

【本タイトル】

「希望の国のエクソダス」という小説を紹介します。

 

【読んだきっかけ】

この本を知ったきっかけはインターネットのラジオです。

僕と同年代の人がパーソナリティの番組があるんですが、そこでお勧めされていたんですね。

 

【超一言】

読んでみて、とても面白かった。

そして特に教育について考える機会を与えてくれる本でした。

具体的には、「学ばないことが強みになるのか」ということを、問いかける小説だと感じました。

 

中盤の原稿

【質問する】

「希望の国のエクソダス」というこのタイトル、意味が分かりますか?

エクソダスとは国外への脱出のこと。

希望の国というのはこの本のキーワードになる言葉で、後ほど説明します。

 

【本の概要】

ジャンルとしては「ファンタジー」です。

ただし、ただのファンタジーではありません。

言うならば経済ファンタジーですね。

普通のファンタジーが魔法の力を使うとすれば、この本の登場人物たちは経済の力、あるいは社会の中で戦う力を使います。

 

物語を簡単にまとめると、全国80万人の中学生が一斉taちに不登校となり、ネットビジネスで成功をおさめ、北海道に自分たちの街、あるいは国を作るという物語です。

 

【あらすじ】

舞台は2002年の日本。

全国の中学生たちがある事件をきっかけに、一斉に不登校になります。

この「ある事件」に関しては、話が長くなるので、気になれば後で質問してください。

この不登校の中学生たちのリーダー的存在が、通称ポンちゃんです。

 

集団不登校により学校からの「脱出」を達成した後、ポンちゃんはネットビジネスをスタートし、成功を収めます。

そのビジネスとは、全国の中学生たちを組織し、彼らが集めたニュース映像に広告をつけるという方法でした。

youtubeやtiktokをイメージしていただければ良いかもしれません。

余談ですが、この本は2000年に書かれていて、この時代にSNSのようなビジネスを中学生たちがしているというのは、非常に先見の明があると感じました。

 

やがて、ポンちゃんは経済的にも政治的にも日本の注目の的になり、国会で答弁することになります。

そこでポンちゃんは高らかにこう宣言するのです。

「日本は多くのものに満たされているが、希望だけがない。僕たちは日本からの脱出を試みます。」

ポンちゃんたちは自分たちのビジネスで得た資金を用いて北海道に新たな街を作り、風力などのエネルギー設備を整え、その地域のみで使える通貨を作ります。

まさに、日本から脱出し、自分たちの「希望の国」を作るのです。

 

【発表者が感じた疑問】

作者の村上龍さんは、なぜ「集団不登校」を小説の題材にしたのか。

私はこの点を疑問に持ちました。

 

あとがきにはこのように書かれています。

 

村上龍さんの運営するホームページ上で、「実施可能な教育改革は何か」という問いを読者に投げかけたのだそうです。

その際、村上龍さんの期待した答えは出ませんでした。

その用意されていた答えというのが「中学生たちが一斉に不登校になる」ということでした。

この考えを具現化したのが、実はこの小説なのです。

 

【問いかけと考察】

なぜ不登校が教育改革につながるのか。

明記はされていませんが、「学ばないことが強みなる」ということではないかと考えました。

 

小説中では、日本は不景気であり、閉塞感が漂っています。

この閉塞感の原因は、大人たちの前例主義、つまり、いつまで経っても同じ方法変えようとしないことが原因であると、書かれています。

 

村上龍さんは、この根底の原因を学校教育に見たのではないかと私は考えました。

実際、いつまでも同じ生活が続く学校生活に嫌気がさして、ポンちゃんたち中学生は学校からの脱出を試みています。

「前例主義的な学校教育からの脱出」こそが、希望に満ちた国にするための処方箋であると村上龍さんは考えたのではないでしょうか。

 

「学校からの脱出」が日本を良くする方法であるとは、必ずしも私は思いません。

他にも方法はあるように思います。

 

しかし、「学ばないことが強みになる」というのは面白い発想ですし、検討の余地があると思います。

実際、前例主義を身に着けていない中学生たちは、ビジネスや北海道への移住も「ためらいなく」行っています。

しがらみがないからこそ、自由に発想できるのかもしれません。

 

終盤の原稿

【まとめ】

まとめます。

中学生だちの日本からの脱出を題材にした小説を紹介しました。

教育を考えるきっかけとして、このエキサイティングな小説をぜひ読んでください。

 

「希望の国のエクソダス」を読んでみよう

「希望の国のエクソダス」の発表原稿と、作成時の考え方を解説しました。


中学生が活躍する小説ですので、中学生の方が発表しても面白いと思います。

 

他のビブリオバトルの原稿については、以下の記事にまとめていますので是非参考にしてください。

参考【ビブリオバトル】本選びの方法とおススメ本20選

 

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