ビブリオバトル・読書会

【ビブリオバトル】”世界「失敗」製品図鑑”を読んで身につまされた

岡本さん
「世界失敗製品図鑑」がどんな本か知りたい!

 

”世界「失敗」製品図鑑”は、アップル、任天堂、トヨタなどの世界を代表する企業が生み出した「失敗製品」を紹介するビジネス書です。

 


(@okamotobiblio)は、テーマ「暮らし」のビブリオバトルでこの本を紹介し、チャンプ本を獲得しました。

ビブリオバトルのルールについては、こちらの記事を参考にしてください。

参考ビブリオバトルを楽しむための4つのルール

 

この記事では、”世界「失敗」製品図鑑”を紹介した際のビブリオバトルの原稿と、原稿作成の考え方を解説します。

 

発表の構成

”世界「失敗」製品図鑑”は、20種の失敗製品を解説したビジネス書です。

この本のように、いくつかの面白いエピソードが並列して紹介されているノンフィクションを紹介する場合、私は以下のポイントを考えて原稿を作成します。

 

ポイント

  • メインのエピソードを1つ決める
  • エピソードが面白い理由を2,3個考える
  • 「超一言」を考える

 

メインのエピソードを1つ決める

発表時間の中で、特に紹介したいエピソードを一つ選びます。

1つに決めるのは、より深い内容を説明するためです。

 

面白いエピソードが複数、並列に掲載されている本の場合、何種類かのストーリーを話したくなりますが、一つ一つが浅くなってしまいます。

5分という限られた時間内で紹介するために、1つのエピソードを決めてしまうことが重要です。

 

今回は、コカ・コーラが販売した「ニュー・コーラ」を題材にしました。

 

1つのエピソードを決めるコツは、前提条件を必要としない、理解しやすい内容を選ぶことです。

特に想定する観戦者の属性が均一でない場合は、難しくないエピソードを選ぶことが無難です。

”世界「失敗」製品図鑑”では、アップルやグーグルなどのIT系の事例も多く取り上げられていましたが、多くの世代が理解できる製品として、コカ・コーラが適切であると判断しました。

 

エピソードが面白い理由を2,3個考える

「コカ・コーラ」の失敗事例がなぜ面白いのか、2つの理由を考えて紹介しました。

 

  • 当事者になると、誤りに気付かない
  • 失敗を生かして成功した

 

以上の2点が、コカ・コーラの失敗が面白い理由です。

 

私はメーカーで働いていて、業務で製品をつくる経験をしています。

当事者として製品に関わったとき、「失敗がどう見えるのか」ということについて、説明することで、観戦者からの共感を得ることができる、面白い本であると思ってもらえると考えました。

 

また、失敗をネガティブなものではなく、さらなる発展のために必要なものだったとポジティブにとらえている事も、この本の面白いところです。

 

この2点を主張することで、「読んでみたい本」の候補にしてもらという戦略を立てました。

参考【あなたは誰?・なぜその本?】ビブリオバトル2つのコツ

 

「超一言」を考える

「超一言」は発表の根幹にある、キーワードです。

このキーワードさえ理解してもらえれば、今回の発表は観戦者に伝わったと言える、そんな超一言を作ることが、ビブリオバトルの戦略上は重要です。

 

ビブリオバトルにおける超一言の考え方は以下の記事を参考にしてください。

参考【超一言】 ビブリオバトル最後のまとめ方を解説します

 

今回は、「胃が痛くなる失敗」を今回の超一言に設定しました。

メーカーで働き、生産者側として製品に関わるからこそ味わう「胃が痛くなる失敗」。

この身につまされる経験を、観戦者の方にもせひ体感してほしい、だから”世界「失敗」製品図鑑”を読んでほしい、という流れで紹介しました。

 

「胃が痛くなる読書経験」を売りにするのは、あまり無い切り口ですし、実際の私自身の経験にもつながるため、良い超一言になったと思います。

 

ビブリオバトルの原稿を紹介

実際の原稿を紹介します。

 

導入の原稿

【発表者のキャラクター説明】

僕はメーカーで働いているので、製品が「暮らし」を変えることができると信じています。

 

例えば、iPhoneは暮らしを変えた製品ですよね。

一方で、暮らしを変える製品の裏側には、多くの「失敗製品」が存在します。

今回はそんな「失敗製品」に焦点を当てた本を紹介します。

”世界「失敗」製品図鑑”というビジネス書です。

 

【本の概要】

「攻めた失敗」というテーマで、アップル、Amazon、グーグルといった世界的企業や、セブンイレブン、任天堂などの国内の有名企業の「攻めた失敗製品」を取り上げて、なぜそれらが失敗に至ったのかが解説されています。

 

【質問する】

なぜ成功ではなく失敗に注目するのか?

それはこの本が、製品を消費者側ではなく、生産者側からとらえているからです。

 

製品に着目した場合、長く残るものよりも消えていく製品の方が圧倒的に多いんですね。

つまり、消費者側から見るとと暮らしの周りにある、成功した製品に注目しがちですが、製品を作る側から考えると、失敗を経験する方が多いわけです。

生産者としては、成功する法則をもちろん知りたい。

でも実際は成功法則というのは見つけるのは難しい。

 

一方で失敗はある程度、形式化することができます。

失敗を知り、失敗を避けることが、良い製品を送り出すために必要な発想となります。

この本の失敗を教訓とすることで、良い製品の作り方を学ぶことができるわけです。

 

この本では、世界の20種の「失敗製品」が、4つのキーワードで取り上げられています。

「どういう製品だったのか」、「どのようにして失敗に至ったのか」、「なぜ失敗したのか」、「私たちへのメッセージ」という4つの切り口で製品を描くことで、失敗を糧にする方法を学ぶことができます。

 

中盤の原稿

【超一言】

僕はこの本を読んで、本当に身につまされました。

読んでいて胃が痛くなるんですよね。

 

数年前であれば、ここまでは自分に響かなかったと思います。

私自身メーカーに就職して、商品を作ることに関わって、それがお客様から良かった、悪かったという結果を得るという経験をしたからこそ、共感できる点があったのだと思います。

ぜひ、この「胃が痛くなる読書経験」を、皆さんにも体験してほしいと思います。

 

【おすすめポイント-1】

この本を読む際の重要なポイントは「自分が責任者だったらどう判断するか」という視点を持つことです。

 

【1つのエピソード】

一つ事例を紹介します。

世界を代表する飲料メーカー、コカ・コーラの失敗です。

 

コカ・コーラは第二次大戦を経て、アメリカを代表する飲料となりました。

一方で、1970年代、ペプシの猛追を受けます。

スーパーマーケット市場でペプシがトップシェアを奪うんですね。

コカ・コーラブランドにとって、ショッキングで、プライドを傷つけられる出来事でした。

この状況を巻き返すべく、当時の社長は100年の歴史を持つコーラの味を変えるという重大な決断を行います。

 

非常に大きな決断ですから、入念な準備を行いました。

20万件近い市場調査を行い、消費者から高い評価を得られた新調合を作り上げたんです。

経営陣の満場一致で新しいコカ・コーラの味が認定されました。

 

1985年、「最高の品質がさらに良くなりました」というメッセージとっともに、新製品「ニュー・コーク」は大々的に発表されました。

 

【疑問文を用いる】

結果、どうなったのか?

実は大失敗。

消費者のクレームで3か月で元の味に戻すことになったのです。

 

【疑問文を用いる】

なぜ入念な準備をしていたのに失敗に至ってしまったのか?

それは、コカ・コーラ社が消費者の真理を正確に理解できていなかったためです。

 

コーラを買う際の基準は、もちろん味が重要です。

しかしそれ以上に、消費者はブランドでコーラを買っていたのでした。

「アメリカを代表する飲料としてのコカ・コーラの味を、勝手に変えられてしまった」

消費者はこの様に考えたのです。

実際、クレームのほとんどは、実際にコーラを買って飲んだ人ではなく、買っていない人からのものでした。

「アメリカ人のアイデンティティをないがしろにされた」と当時の人たちは考えたのかもしれません。

 

今から振り返ってみれば、当時のコカ・コーラの販売方法を強引だったと言えます。

しかし、ペプシに勝つという目標を掲げて当事者として自分がこの場にいたら、本当にこの失敗を避けることができたのか、と考えると、僕は胃が痛くなってしまいます。

 

「裸の王様」のお話では、家臣たちが王様が裸なのに見えない服を着ていると言いますが、当事者になると服が見えてくることがあるんです。

リスクを取りたくないということもありますが、現場の人の頑張り、今までの苦労、新商品でトップに返り咲くというストーリーの前に、服が見えてくることがあるんですよ。

当事者だからこそ避けることが難しい失敗、ということがあるのだと思います。

 

【おすすめポイント-2】

ニュー・コークは失敗に終わりますが、ブランドを作り上げることの重要性を学んだコカ・コーラはここから挽回をします。

ブランドを作ることに専念し、世界一の飲料ブランドを作り上げることに成功します。

失敗を糧に、企業が成長するエピソードも書かれていることが、この本のもう1つの良さです。

 

まとめの原稿

ではまとめます。

 

世界を代表する企業の失敗製品を題材とした”世界「失敗」製品図鑑”を紹介しました。

コカ・コーラ以外にも、ユニクロの野菜ビジネスや、マイクロソフトのスマホなど、興味深い事例が登場します。

 

【超一言】

生産者として胃が痛くなるような失敗経験をぜひ皆さんにも追体験していただきたい、という意味でおススメです。

ぜひ読んでください。

ありがとうございました。

 

失敗を糧にする方法が学べる良書です

「世界失敗製品図鑑」のビブリオバトル原稿を解説しました。


本書はなぜ企業が失敗してしまったのか、そこから何を学べるのかを解説していて、製品に関わる人にはぜひ読んでいただきたい本です。

また、今回の原稿で、実際にチャンプ本を獲得していますので、ビブリオバトルの参考にしていただければ幸いです。

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