ビブリオバトルは読書会形式のコミュニケーションゲームです。
私、岡本はビブリオバトルを10年近く開催してきました。
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参考ビブリオバトルを楽しむための4つのルール
私は化学メーカーで研究開発職をしていますが、実はビブリオバトルの経験が仕事にとても役立っています。
なぜビブリオバトルが仕事に生かせるのか?
この記事では、理系出身の製造業技術職にビブリオバトルをお勧めする3つの理由を解説します。
目次
メーカー理系職にビブリオバトルをお勧めする3つの理由
ビブリオバトルには製造業研究開発職の仕事で生かすことができる3つのメリットがあります。
メリット
- 端的に話す力が身につく
- 本や人からの学びがある
- 相手に動いてもらうための話し方が身につく
端的に話す力が身につく
製造業理系職にビブリオバトルの参加を勧める理由の1つは、端的に話す力が身につくことです。
ビブリオバトルでは5分で本を紹介します。
5分という決められた時間内に本の内容、おすすめ理由を説明しないといけません。
その際、重要なのが端的に、ポイントを絞って説明する技術です。
内容をシンプルにまとめることで、短い時間でも観戦者が本の中身を理解できるようになります。
例えば、「この本のおすすめポイントは3つあります。1つ目は~」と要点をまとめることで、プレゼンが伝わりやすくなります。
ビブリオバトルで発表を経験することで、わかりやすくシンプルに説明する力が身に付きます。
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参考【例文あり】ビブリオバトルの発表原稿を準備するための4ステップ
研究開発職は端的に説明する技術が必要
意外かもしれませんが、研究開発職もコミュニケーションスキルを身に着ける必要があります。
自分の仕事に黙々と集中する場面ももちろんありますが、成果の発表や企画の立案などではプレゼンが不可欠です。
プレゼンの相手は、研究内容について知らない人の場合も多くあり、彼らに理解してもらうように説明しなければなりません。
その際、ポイントを絞って端的に説明することが重要です。
複雑な現象も、モデルを使ったり図解したりなどシンプルに表現することで理解してもらいやすくなります。
メーカー研究開発職で働くうえで、要点をまとめた発表ができることが重要なのです。
つまり、ビブリオバトルでの発表経験は、研究開発職のプレゼンにも有用です。
どちらも、内容を知らない人に要点を伝えるという点で同じだからです。
私自身、会社内では「プレゼンがうまい人」という認識を持たれています。
これはビブリオバトルの経験から、端的に説明することが身についているからです。
ビブリオバトルを通じて、職場での発表方法を改善しましょう。
本や人からの学びがある
製造業理系職の人は、普段から文献など文字情報に触れる機会が多くあります。
しかし小説など、仕事に直接は関係しない文章を読む人は少ないのではないのでしょうか。
ビブリオバトルの良いところは、本を紹介してもらうことで、普段は読まないジャンルの本の情報を得ることができることです。
小説や、社会、働き方に関する本などの科学技術とは関係がない本も、ビブリオバトルをきっかけに読むことができます。
私の場会は、ビブリオバトルを通して出会った原田マハさんの小説が大好きになりました。
原田マハさんの作品は芸術に関するものが多く、「美しいモノを作る」芸術への興味がわきました。
「美しいモノを作る」という考え方は芸術だけでなく、メーカー研究開発職にも必要な発想です。
違った角度から情報を得たことで、仕事のモチベーションを高めたり、参考となる考え方を取り入れることができました。
ビブリオバトルでは、出会った人からの学びもある
面白い人とも出会う事がことができる点も、ビブリオバトルに参加する大きなメリットです。
メーカー研究開発職は営業などとは異なり、社内での閉じたコミュニティとの関りしか持たないことが多いです。
ビブリオバトルに参加することで、社外の人と気軽にディスカッションすることができます。
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参考【ビブリオバトル】質疑応答でよくする質問例10選
彼らと話していると、自分が狭い世界で生きている事を実感します。
自分の考え方を相対化する事ができるため、ビブリオバトルは研究開発職にお勧めのなのです。
私見ではありますが、読書習慣がある人は知識が豊富で話していて楽しいことが多いです。
彼らが紹介してくれた本はきっと面白いのだろうなと思い、新たなジャンルの本を読むきっかけにもなります。
ビブリオバトルを通じて仕事とは異なる刺激を受け取ることで、仕事にも良い影響を与えることができます。
相手に動いてもらう話し方が身につく
ビブリオバトルでは、発表者はチャンプ本獲得を目指してプレゼンをします。
チャンプ本を獲得するためには、紹介した本を「読みたくなった」と評価してもらい、投票してもらう必要があります。
すなわち、どうすれば投票してもらえるかということを考え、発表することになります。
実はこの「投票してもらう方法を考える」という思考も、研究開発職に重要です。
研究開発職も会社の組織の一員ですので、チームで働いています。
私はプロジェクトチームのリーダーをしていますが、どの様な伝え方をすればメンバーが気持ちよく働くことができるかということをよく考えます。
例えば以下の3点のような伝え方を心がけています。
伝え方の例
- 取り組んでほしい仕事の目的を、メンバーがワクワクできるように伝える
- この課題を解決すると、社会的にどんなメリットがあるかを伝える
- 仕事のやりがいを伝える
実はビブリオバトルでの投票行動を促すという思考と、仕事で心地よく働いてもらうようコミュニケーションをするという思考は非常に似ているのです。
発表方法の例
- 本の内容を観戦者ががワクワクできるように伝える
- この本を読むことで、どんなメリットがあるかを伝える
- 本を読んで感動するポイントを伝える
私がチームのリーダーとして評価されているのも、ビブリオバトルでの経験が活きているのだと思います。
ビブリオバトルに参加することで、職場で能動的に人が動くようにコントロールする方法が学べるのです。
理系はビブリオバトルに参加して伝え方を改善しよう
この記事では、製造業理系職で必要なスキルと、ビブリオバトルを楽しむためのスキルが似ていることを解説しました。
研究開発職として活躍するために、ビブリオバトルは非常に役立ちます。
仕事に生かすことができる趣味として、ビブリオバトルに参加いただければ幸いです。