私(@okamotobiblio)は化学メーカーの研究職として働いています。
研究職ではありますが、新卒学生や転職者の採用に面接官として関わったことがあります。
私は学生時代、あまりうまく就活を進めることができませんでした。
10社程度面接を受けましたが、結局内定を貰えたのは1社のみ。
面接が苦手だったんですね。
ちゃんと受け答えしているつもりなのに、いまいち面接官の反応が良くない。
なぜ面接が苦手だったのか?
面接官の質問の意図が理解できていなかったことが原因です。
研究職として数年働き、当時の面接官が何を知りたかったのか、わかるようになりました。
就活当時にこの考え方を理解していれば・・・!
この記事では、就活の面接官としての私が行う質問の意図を解説しますね。
目次
就活で聞かれる2つの質問
就活の面接で聞かれる質問は、2つに大別することができます。
面接官はこの2つを知りたいがために、色々な質問をすると言っても過言ではありません。
ポイント
- あなたの価値観は弊社とマッチするか。
- どうやって会社に利益をもたらすのか。
あなたの価値観は弊社とマッチするか
応募者の価値観と応募企業の価値観が合うかどうかを、採用担当者はよく見ています。
志望動機は価値観を確認する質問の代表例です。
応募者が企業の求める人材像と合致していなければ、採用したとしても活躍できない可能性が高いです。
応募者もストレスを抱えながら働くことになってしまいますよね。
- 何をしたくて弊社を選んだのか。
- 他社ではなく、なぜ弊社なのか。
これらの思考プロセスは、個人の価値観を反映したものになります。
面接官は応募者の価値観を知りたいんですね。
一方で、私は志望動機を聞かれても応募企業会社の特徴を説明するだけで、自分の価値観を説明していませんでした。
学生時代の誤解
- ナンバーワンの商品がある御社で働きたい。
- 優秀な社員が集まっているから御社で働きたい。
- 有機化学に強みのある御社で働きたい。
「会社の良いところを言う」ことが志望動機だと考えていたんですね。
しかし実際に面接官として採用試験に参加して、過去の私のように「会社の特徴」だけを伝える応募者を採用することはないと実感しました。
会社をよく調べてくれていることはありがたいですが、企業側は応募者の意見・思考プロセスを知りたいんです。
応募者の価値観は、自社とマッチングするかどうかの判断材料となります。
会社とマッチする人材であれば、活躍の可能性も高いですから、価値観が合うかどうかというのはとても重要なわけです。
もちろん、志望動機を聞いて「この応募者の価値観はうちの会社には合わないな」と感じることもあります。
しかし、この応募者は他社で選考を突破する可能性は高い。
なぜなら価値観を伝えてくれているからです。
一方で当時の私のように、自分の考えを伝えられない人は就活で苦労することになるでしょう。
志望動機のおススメの伝え方は、
- 私は~をしたい
- 御社ではそれを実現できる
という2ステップで伝える方法です。
この順番で話せば、自身の価値観を伝えたうえで、それが応募企業とマッチしていることを理解してもらうことができます。
化学メーカー志望であるなら、以下のようなパターンが多いのではないでしょうか。
例
- 私は化学で社会を良くしたい→御社ではそれを実現できる。
- 私はサイエンスの力で暮らしを豊かにしたい→御社ではそれを実現できる。
- 私は研究開発を通じて革新的な商品を生み出したい→御社ではそれを実現できる。
- 私は環境問題の解決に貢献したい→御社ではそれを実現できる。
- 私は健康な生活を多くの人に届けたい→御社ではそれを実現できる。
この骨組みを利用して、深堀りした志望動機を加えていけばOKですね。
- 化学で社会を良くしたい→学生時代の反応開発の経験から、化学の発展が産業を支えている事を理解した。
- 御社ではそれを実現できる→業界内でも独特な商品を持っており、ここに注力することで社会をより良くすることができると考えた。
理系の研究室で生活していると、データやエビデンスが重要で、自分の意見や価値観を表明することを軽視してしまう傾向があります。
しかし、就活では自分の価値観が重要。
会社の特徴を言うだけの志望動機ではなく、自分の価値観を軸にした志望動機を伝えてください。
価値観を知るための質問
価値観を確認するための質問例を挙げます。
これらに「正解」はありませんが、あなた自身の考えを伝えることができないと「間違い」と言えるかもしれません。
例
- 研究活動で思ったような結果が出ないとき、どのような方法で乗り越えますか?
→思考先行の人なのか、作業先行の人なのか、チームで解決するのが上手いのかなど。どの職種、職場が向いているかの参考にする。
- あなたが最近気になるニュースは何ですか?
→応募者の興味が会社の事業とマッチしているか確認する。
企業がどんな価値観を知りたくて質問しているのかという意図を読み取り、回答するのがコツです。
どうやって会社に利益をもたらすか
会社は利益を出すことが求められる組織です。
採用する人材が会社にどのように貢献してくれるのか、面接官は見ています。
しかし私は就活中、自分のどんな能力が会社にメリットを与えることができるのかという考えが、すっぽりと抜け落ちていました。
自分のスキルや経験をアピールするだけに留まっていたんですね。
例
- 天然物合成の検討で、新規反応条件を見出しました。
- 学会でポスター賞を受賞しました。
- 学問の境界領域の研究の経験があります。
しかし重要なのは、そのスキルを使ってどうやって会社に利益を出してくれるか。
以下の2ステップで話すと理解してもらいやすいです。
- 私は〜をすることができる。
- それは会社の利益につながる。
例
- 私は天然物合成の検討で、新規反応条件を見出しました。→仮説を立てて良い条件を見出すスキルは御社での研究開発職でも有用。
- 学会でポスター賞を受賞しました。→自分の専門外の人が多い学会であったため、基礎的な情報も含めて説明しました。同じ技術背景を持たない人ともコミュニケーションを円滑に行うことができ、このスキルは御社にとっても重要。
- 境界領域の研究の経験があります。→新企画の立ち上げには、技術を持っていないことへの挑戦も必要。私の経験は御社の研究開発に生かすことができる。
この様に、自分の経験と会社の利益を結びつけて説明されると、採用したい人材となります。
採用するメリットを知るための質問
「会社にどのように貢献するか」を意図した質問は、以下のようなものです。
- あなたのアピールポイントを教えてください。
- 学生時代に最も力を入れたことを教えてください。
- 志望動機を教えてください。
志望動機にも、この会社側のメリットを提示するという考え方を応用できます。
自身の価値観+会社側の利益が入った志望動機を作ることができると、内定にグッと近づきますよ。
面接の対策をしよう
化学メーカー研究職として働きつつ、面接官経験もある私の経験から、面接での質問に重要な考え方を書きました。
価値観のマッチングと、どうやって企業に利益を出すかという2点が、就活の面接では重要です。
私は、就活時点ではこの考え方を持っていなかったため苦労しました。
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