化学 読書

【化学メーカーに就職したら】高分子の勉強におススメの1冊

岡本さん
化学メーカーに就職することになった。今までは低分子合成しか経験がないけど、高分子も勉強したほうが良い?入社前に読むのに良い高分子の本はある?

 

(@okamotobiblio)は理学研究科を卒業し、化学メーカーに就職しました。

就活の時に困ったのが、高分子の知識が全然なかったこと。

 

理学部のため、高分子を扱った研究室は無かったですし、授業でもほとんど教わりませんでした。

一方で、化学メーカーの会社説明会を聴くと、高分子の製品や技術が紹介される・・・。

いまいち高分子化学のイメージがつかめなかったんですよね。

 

そこで高分子を理解することが化学メーカーで働く際には重要と考えて、高分子の基礎的な勉強をすることにしました。

その結果、勉強後、会社説明会で行われる化学メーカーの技術がだんだんとわかるようになってきました。

 

化学メーカーへの就職を考えているなら、高分子の勉強はして損はありません。

 

ではどんな勉強をしたら良いか、知りたいですよね。

 

結論、絶対に高分子を扱う!と決めていないのであれば、基礎の内容を学ぶだけで十分です。

 

高分子の教科書は色々ありますが、基礎を学ぶのであれば、「高分子化学の基本と仕組み」という本がおススメ。


この記事では、「高分子化学の基本と仕組み」がおススメの理由を解説します。

 

 

化学メーカー志望者が「高分子」を学ぶべき理由

化学メーカーで働く際、なぜ高分子の知識が必要になるのでしょうか。

 

理由の1つは高分子が素材産業を支えているから。

 

化学メーカーは、高付加価値を生み出す機能性素材事業に資源を集中させてきています。

例えば吸水性の樹脂や、ある物質だけ透過するフィルムなど。

高分子は高付加価値素材を生み出すことができるという魅力があります。

 

一方で単純な基礎化学品では利益が得られなくなっています。

例えばエチレンや苛性ソーダなどですね。

 

高利益のビジネスを行うために、化学メーカーは高分子の研究開発を進めているんですね。

 

岡本さん
低分子を扱っているメーカーもあるんじゃないの?

 

もちろん、化学メーカーに就職したからと言って、必ずしも高分子を扱うわけではありません。

有機ELの素材はその典型で、低分子化合物も使われています。

 

しかし、化学メーカーで働いていれば、高分子と接する機会は必ず訪れます。

 

私自身、高分子を担当はしていませんが、顧客から高分子化合物を提供してほしいという相談をされることはよくあるんです。

もちろん、実務は高分子の担当者に任せます。

しかし、ある程度高分子の知識がないと、顧客から相談された際に相談内容の理解や回答ができません。

 

化学メーカーでキャリアを積むことを考えるのなら、専門的な知識は必要ないものの、基礎的な高分子の知識は必須です。

 

高分子を勉強するのにおススメの本

「高分子の基礎」を身につけるのであれば、「高分子化学の基本と仕組み」という本がおススメです。


 

おススメする理由は2つあります。

 

ポイント

  • 基礎的な内容を網羅
  • 図解でわかりやすい

 

基礎的な内容を網羅

「高分子の基本と仕組み」は、高分子の基本を網羅している点でおススメです。

 

真面目に高分子の勉強をすると、数式が出てきたり、門外漢からするとちょっとハードルが高い。

一方で、本書では高分子の種類や特徴、その用途など、実務では不足だけど、教養的に知っていれば対応できるというレベル感で高分子を解説しています。

 

化学的に深入りしていないので、文系で化学メーカー志望の方や、化学メーカーと取引する会社で働いている方でも、理解しながら読むことができる内容です。

 

 

岡本さん
研究開発職志望だけど基礎レベルでも大丈夫?

 

もちろん、実務で高分子を使う場合や、高分子の技術に魅力を感じて会社を選択するのであれば不十分です。

 

その際は、別途、より専門的な教科書で学んでください。

例えば、私は目を通したレベルですが、以下の本が2冊目としてはおススメだと思いました。


 

とはいえ、私のように「最低限の知識で十分!」という方には、「高分子の基本と仕組み」だけでOK。

この本の内容を、しっかり理解、頭に入れるようにしましょう。

 

図解でわかりやすい

高分子の用途や、素材の特徴は図解がないと、なかなか理解が難しいもの。

本書は、2ページで1テーマ。

右側のページは丸々図解ですので、とてもわかりやすい構造になっています。

 

また、図や構造式が豊富で、わかりやすいというのも本書が優れている点です。

 

化学基礎的な本の場合、構造式が書かれていないものもありますが、この本はちゃんと記載されています。

化学のバックグラウンドがある人にとっては、こちらの方が分かりやすいですね。

 

構造式が書かれているとはいえ、内容的には、高校の授業で化学に触れたことがある人であれば、すんなりと理解できる程度の難しさだと思います。

 

ただし、構造式にところどころ間違いがありますので、その点は注意!

化学的なバックグラウンドがない人は、ネットで化学構造を再確認したほうが良いかもしれませんね。

 

高分子の基礎を学ぼう

化学メーカー志望者、取引のある方向けに、基礎的な高分子の知識を身に着けるのに丁度良い本を紹介しました。


「高分子の基本と仕組み」は、初学者が高分子の全体像や実務の入り口を学ぶのに丁度よいレベルの本です。

私は化学メーカーで、高分子以外の研究業務を行っていますが、その様な立ち位置であれば、本書のような基礎的な知識を理解していれば十分でした。

 

構造式にいくつか間違いがあるので、そこは注意ですが、基礎を学ぶには丁度良い本なので、ぜひ読んでみてください。

 

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