私(@okamotobiblio)は化学メーカーの研究職として働いています。
一般的に、化学メーカーの研究職は比較的ホワイトで、ストレスを感じにくいと言われていますよね。
実際、好きなことを仕事にできていますし、他の職種に比べればプレッシャーは少ないかもしれません。
しかし、研究職であってもストレスを感じて仕事をしています。
私の会社の研究職の方も、メンタルの不調を訴え、転職する人もいました。
この記事では、化学メーカー研究職として働いている私が感じるストレスと、その対象法を解説します。
自分が研究職に向いているか、ストレス解消には何をすれば良いか参考にしてください。
目次
研究職のストレス
私が化学メーカー研究職として働いていて感じるストレスは、大きく分けて3つです。
ポイント
- 実験・研究の中断
- 成果が出ない・伝わらない
- 人間関係
実験の中断
実験、研究活動が何らかの理由で中断、できない事に対してストレスを感じます。
研究職に就いている人は、研究が好きな人がほとんど。
学生時代に研究室の厳しい生活を経験してなお、研究をしたいという人が集まっているので研究好きなのは当然ですよね。
そんな研究ラバーにとって実験を中断させられたり、集中して研究できない環境はストレス。
具体的には2つの理由で、突然中断することが多いです。
- 話しかけられる
- 電話
話しかけられる
チームメンバーや上司から、実験・分析中に話しかけられることはストレスにつながります。
集中している様子を察してもらえれば雑談を振られることはないですが、仕事の相談などは持ちかけられることはありますよね。
仕事の相談などがほとんどなので仕方ないのですが、実験の進捗が悪くなる原因でもあります。
電話
電話対応も集中を妨げられるイベントの一つ。
データ整理でパソコンに向かって集中していたのに、電話対応で邪魔されることがしばしばあります。
特に若手のうちは積極的に電話に出ることが求められます。
もちろん、社内の人の名前を覚えたり、取引先の社名や担当者を覚える機会にはなりますが、集中して分析作業できる方が良いですよね。
私の部署の場合、おおよそ毎日10数件は電話が鳴ります。
自分が電話に出なかったとしても、集中力を妨げられてしまいます。
成果が出ない・伝わらない
成果を出せなかったり、結果をうまく伝えられないことは研究職にとって大きなストレスとなります。
成果を出せない
研究部門は事業と直接関係ないので気楽で良いよね、と言われることがあります。
確かに事実の一面ではありますが、研究部門が新たな商売のタネを見つけないと、事業は先細りしていしまいますよね。
企業の研究者として働く以上、「会社の売り上げにつながる研究をする」、「会社を通して社会に貢献する」という意識で研究をしている人がほとんど。
成果を出さなくても良い、と考えて仕事をしている人は少数です。
したがって「研究成果を出せない」状況は非常にストレス。
また、成果が出せない期間が長くなると関わっていたテーマが終了してしまうことも。
立ち上げから携わっていたテーマが終了すると、ショックも大きいです。
実際、私も途中でテーマが終わってしまったことがありますが、なんともやりきれない思い、後悔を感じました。
研究結果を出せないと、心理的プレッシャーがかかってしまうのです。
成果が伝わらない
研究の結果は出ているのにも関わらず、事業へと発展させることができないとストレスを感じます。
研究はあくまでもモノづくりの上流工程。
実際の製品を設計し、製造し、顧客へと届けることができないと、企業では研究が成功したとは言えません。
研究で結果を出せたのなら、その成果を利用してもらうために、他部署や経営層へと展開する必要があります。
しかし、この作業は結構労力が必要なんです。
技術的背景を、その技術が必要となる理由、社会的ニーズなど、その重要性を理解してもらえていれば良いですが、「伝わらない」ことが多いのも事実。
せっかく良い成果を出せたのに・・・
結果を理解してもらうこと、その努力をすることもストレスになり得ます。
研究職であってもコミュニケーション能力が重要なんですね。
-
参考研究職にコミュ力は必要?3つのパターンと鍛える方法を解説
人間関係
心理学者のアドラーは、「すべての悩みは対人の悩みである」という名言を残していますが、メーカー研究職でも同様です。
人間関係の悪化が原因で会社を辞めてしまった人が、私の周りにもいます。
研究職は対人で行う仕事が少ないので、ストレスを感じている人は少ないという印象があるかもしれません。
しかし、上長やチームメンバーとの仲が良くないということは結構あります。
大学では1人か、せいぜい2人程度で研究を進めていきますが、企業では5人から10人、それ以上と多くの人と研究テーマを進めていくことになります。
多くの人が集まると、その分苦手なタイプの人と関わる可能性も高まりますよね。
人間関係は一旦こじれてしまうと、ストレス解消がとても難しくなります。
早めの対処が必要です。
ストレスの対処法
研究が好きなのにも関わらず、研究の職場でストレスを感じたら、早めに対処しましょう。
現場から離れることになるのが、研究好きにとって最も辛いことになります。
ストレスの対処には大きく分けて3つのアプローチがあります。
ポイント
- ストレスを生み出す課題を解決する
- 気分転換をする
- 環境を変える
ストレスを生み出す課題を解決する
ストレス発生源をなくす努力をすること。
これがストレスに対して最も直接的な対処法です。
私が行っている例を示します。
例
- 実験中に中断されないように、どの時間帯であれば対応可能か周知する
- 成果が出ない原因を分析する
- 成果を伝えることが上手い人に方法を教えてもらう
- 苦手な人とのコミュニケーションは口頭ではなくメールベースで行う
ストレスの原因を見極め、その解決策を考え、実行することがストレス解消の基本。
研究職としての分析力を生かして対応しましょう。
気分転換する
課題解決を続けても、新たなストレス源は生み出され続けます。
したがって、週末に仕事の忘れる趣味の時間を作って気分転換するスキルも必要になります。
私は週に2,3回、ランニングをしています。
土日と平日に1回程度ですね。
走り始めは仕事のことが気になっていても、だんだんとランニングに集中できるようになってきます。
走り終わった後は気持ちがすっきりしますし、ストレスも忘れてしまいますね。
仕事をする上での体力を確保するという意味合いもあります。
また、読書やブログを書くことも気分転換の一つです。
仕事以外で何かに熱中することで、気持ちを切り替えて研究に挑むことができるようになります。
環境を変える
研究プロジェクトの変更や、部署異動、転職などで環境を変えることもストレスへの対処法となります。
私自身は経験はありませんが、転職は環境を変えるという点では最も効果的な方法です。
「転職しても解決につながらないのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、接する人やテーマを変更することで、ストレスという問題が解決するのであれば転職したほうが幸せなのではないでしょうか。
実際、ストレスで出社できなくなった友人が、転職したことで仕事ができるようになった例があります。
現状の研究現場がストレスで耐えられない、というのであれば、転職を検討してみてください。
転職やキャリアの考え方を学ぶのには、「転職の思考法」という本が参考になりました。
実際に転職はしなくても、キャリアを考えるという点で「転職の思考法」は役に立つはずです。
-
参考【化学メーカー】若手~中堅研究職のキャリア例と思考法
研究職もストレスを感じる
研究職が感じるストレスについて、3つの例と対処法を解説しました。
メーカーの研究職は比較的ストレスを感じにくい職種ですが、研究成果を出すというプレッシャーや人間関係からストレスを感じて退職する人もいます。
ストレスを解消するには、課題を解決するという直接的な方法をまず行うべきですが、趣味に熱中したり、転職したりするのもアリです。
ぜひ、就活生や研究職として働いている方は参考にしてください。